産科
産科
都内では多くの病院や分娩施設がセミオープンシステムを採用しています。
セミオープンシステムとは、普段の妊婦健診(妊娠32−34週頃まで)は自宅や会社の近くなど妊婦さんが通いやすいクリニックで健診を行い、それ以降の健診と分娩は連携病院で行うものです。34週ころの受診前に何回か分娩施設へ受診が必要なところもありますが、普段の妊婦健診をクリニックで行うことで、通院負担が軽減されます。もちろん、切迫早産など何か合併症が起きた場合などは速やかに連携病院へ受診できるため安心です。
当院は都内複数の分娩施設のセミオープン登録をしております。(下記以外の病院で分娩予定の方の妊婦健診も可能ですので、ご相談ください)
提携病院
当院では分娩を取り扱っておりませんが、里帰り分娩を予定されている方や、分娩施設のある提携先病院で分娩を予定されている妊婦さんのための妊婦健診を行っております。
概ね32週までの健診を行っております。
また、分娩先が決まっていない患者様には、提携先の病院をはじめとして患者様にあった病院への紹介をいたしますのでご相談ください。
妊婦健診を行う目的には以下のようなものがあります。
正常な妊娠の経過を確認する、妊娠中に発症する合併症などの予防、マイナートラブル(便秘、つわり、貧血など)への対応、保健指導、ハイリスク妊娠や合併症の早期発見などです。
基本的な健診項目である血圧、体重、浮腫の有無、尿検査(蛋白尿/尿糖)は毎回チェックしますが、採血や内診による検査などその他の項目については、妊娠週数により必要な時期が決まっていますので、初期指導時にあらかじめご案内させていただきます。中野区以外でも東京23区の妊婦健康診査受診票を使うことができます。これは費用の一部を助成するものであり、検査や診察の内容によって、自己負担が発生いたしますので、あらかじめご了承ください。
当院では妊婦健診時には毎回2D/4Dエコーを行っております。希望の方にエコー画像データを共有できるAngel Memoryというシステムを採用しております。ご希望の方は受付でAngelMemoryカード(2,200円:税込)を購入し、毎回の健診時にお出しください。なかなか健診に同席できないパートナーや離れて暮らすご家族も、エコー画像をみてより赤ちゃんの成長を身近に感じられると思います。
もともとの月経予定日は妊娠4週0日です。妊娠検査薬が陽性となった場合、月経周期が順調な方は妊娠5−6週くらいで最初の受診をすることをおすすめします。月経周期が不順な方は、妊娠検査薬陽性を確認した後、できるだけ早いタイミングで最初の受診をおすすめします。赤ちゃんの心拍が確認できた後、母子手帳をもらいます(もらい方などは受診後にご案内いたします)。また、不妊治療などで紹介状のある方は初診時に持参してください。母子手帳をもらってからの標準的な受診スケジュールは下記の通りです。
*当院では、毎回超音波検査を行っております
週 | 健康診査の検査内容 |
---|---|
4−7週 | 初診、経腟エコー検査、母子手帳・受診票交付 |
8−11週 | 経腟エコー検査(予定日決定 8−10週) 子宮頸部細胞診 初期採血検査(貧血・血液型・不規則抗体・血糖値・感染症など) |
12−16週 | 一般健診(13週ころより経腹エコーに変わります) |
17−20週 | エコー検査(経腹・経腟 胎盤位置や切迫早産兆候の有無を確認します) 腟培養検査 性器クラミジア・淋菌 PCR検査 |
19−21週 | 妊娠中期スクリーニング検査(経腹エコー検査) |
24−26週 | 妊娠中期採血(貧血、妊娠糖尿病のスクリーニングを行います) |
32−34週 | 当院での最後の検診となるため、分娩施設へ紹介状をお渡しします |
母子手帳交付時に配布される妊婦健診受診票(クーポン)を使用し、健診費用の一部助成を受けることができます。ただし、週数に応じて適宜検査がありますので、検査内容によって自己負担額が変わります。普段の健診時はクーポン使用でご本人負担は3,000円程度です。ただし検査内容により、追加の自己負担が発生しますので、あらかじめご了承ください。
項目名 | 費用(税込) |
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初診料 | 3,000円 |
再診料 | 1,500円 |
検査追加時 | 初期検査時:20,000円程度(クーポン使用時) クラミジア/培養などの検査時:12,000円程度もしくは6,000円程度(クーポン使用時) 中期採血時:8,000円程度もしくは3,000円程度(クーポン使用時) |
妊娠中期胎児スクリーニング検査 | 8,000円(クーポン使用時3,000円) |
4Dエコー外来 | 6,000円(34週まで。クーポンは使用できません。他院で妊婦健診を行っている方も受診可能です。) |
当院には助産師が常駐しており、産後の乳腺炎ケアを行っています。母乳育児には情報も多く、「おっぱいが足りているのか?」「ミルクを足す量は?」「卒乳のやり方は?」など、日々、たくさんの疑問や、乳腺炎や乳頭亀裂などのトラブルが出てくるものです。乳腺炎の診察については、「乳腺炎重症化予防ケア・指導料」の施設基準の届け出を行っており、当院では保険診療でのケア(1回の分娩につき4回まで)が可能です。また、卒乳や母乳育児に関する相談にも対応可能です(自費)。受診希望の方は、電話にて予約をお取りください。
乳腺炎とは乳汁を分泌している乳腺で炎症をおこす病気で「急性」と「慢性」があります。急性乳腺炎には乳汁うっ滞性乳腺炎と、そこに細菌感染が加わった化膿性乳腺炎があります。産後、授乳中におこる乳腺炎の多くは乳汁うっ滞性乳腺炎になります。症状としては、乳房の腫れ、しこり、痛み、皮膚の赤みや熱感を起こします。また38度を超える発熱を伴うことも多く、体力を消耗します。授乳継続して良いのか、乳腺炎なのか別の感染症なのか分からず不安になる方も多いです。また慢性化し、再発を繰り返したり、難治性となると治療が難しいこともあります。気になる場合はぜひ、早めにご相談ください。ぜひ、熱が出た場合は、脇の下と、肘の間と2箇所で熱を測ってみてください。
母乳の通り道である乳管が十分に開いていない、赤ちゃんが母乳を飲む力が弱い、授乳の間隔があき過ぎた、などの原因で母乳が乳管内に溜まりがちになり、炎症をおこします。治療は乳房マッサージや搾乳で母乳が乳管内に溜まらないようにすることです。冷やして乳汁の分泌を抑えることもあります。
うっ滞性乳腺炎をおこしているところへ、乳首などの傷から細菌が感染しておこることがほとんどですが、授乳と関係なくおこることもあります。治療は、抗生物質の点滴や内服、消炎鎮痛剤を内服したりします。乳腺の中に膿が溜まり、切開排膿が必要な場合は乳腺外科へ紹介することもあります。
乳腺炎が重症化しないようにするためには、炎症症状が出始めてからの時間と、セルフケアを始めてからの時間、助産師のケアを受け始める時間が大きなキーポイントとなります。乳腺に赤みや硬結などの炎症を疑う症状が出たときや、乳腺に痛みを伴うような発熱を認めた場合は、早めにご相談ください。乳腺ケアにはお時間がかかりますので、ご来院時間の調整が必要です。まずはお電話でご相談ください。